白と亀甲
「富士のふもとで 菓子づくり」
富士の麓の和菓子専門店

金多留満の包装は「白」「人は生まれて、死する時まで、節目々に必ず白をまとう。」上下とも白い着物。吉凶に用いる式服を着た姿を白装束といいます。もとは吉事にも込事にも白が女の正の色であり、婚礼に白無垢を着ます。本来は神祭りなど神聖な機会に着用する品衣(いみごろも)で、厳重な物品みを経て心身ともに清浄であることを示しています。シロは白色ばかりでなく素(しろ)を示す語でもあります。神祭りは晴れ着を着る機会であるため、白衣を晴れ着とし、赤子の産着(うぶぎ)、婚礼の花嫁、葬儀の死者や近親者の服装となっています。
「白は色であるかと考えたとき、白は色のようだが色ではないように思えてきました。すなわち、白という色があるのではなく、白いと感じる感受性があると考えられたのです。だから白を色として探すのではなく、人の節目々に必ずまとう「白」を感じ取ってほしい。「白」という感受性を探してほしいと考え白にこだわり、あえて白に白を刷ることを、金多留満の基本(色)として「白」でデザインをし「白」を重ねています。特に富裁薬撰は、白無垢をイメージし、柄、合わせ、帯、帯紐などを表現しています。

「亀甲文様」亀甲はその字が表すとおり、亀の甲の文様です。亀は中国の四神(青龍・白虎・未雀・玄武)の内の玄式で、神の意を伝える能力を持ち、長寿のシンボルでした。亀の甲を焼いてそのひび割れの方向で占いをし、神の意と考えていました。また亀の甲(六角形)が崩れない建続模様で、永遠の繁栄を願ったものでもあります。現代の化学では物質を表すものに、炭素原子6個からなるベンゼン核を用います。太古から蜂の巣や雪の結晶も六角形で、自然の中でその形の不思議なパワーをもっていたことが判明されています。金多留満では、そんな六角形の「亀甲柄」をオリジナルの柄で創作し富裁薬採に用いました。亀甲文様の中に、さらに不規則に違った亀甲柄を並べてデザインしています。また、その中に全金多留満の頭文字「金」を不規則にならべ、お菓子ひとつの包装のどこかに「金」の文字が出てくるように工夫しています。見る視点を変え、発想の転換をすることも、良い方向へ進み幸せになるという意味を表現しています。
